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児童扶養手当受給の可否

執筆者: 秋山怜史 2014年12月27日 土曜日

シェアハウスに入居しているシングルマザーの方が、
受給の打ち切りにあったというニュースが流れました。

この問題についてはペアレンティングホームでもお問い合せをいただくことが多い話題ですので、
この機にコラムとしてまとめたいと思います。

まず、結論から申し上げます。

 

【ペアレンティングホームでは児童扶養手当の受給ができます】

 

ペアレンティングホームに入居をしているという理由で、
児童扶養手当の支給を差し止められることはありませんので、ご安心ください。

私たちは新しくペアレンティングホームができる度に、
その自治体の担当者の方々としっかりと意見交換、情報交換をし、
また必要な場合は今までの事例を提示し、説明をすることに努めています。

 

しかし、なぜ、このような問題が起こるのでしょうか?

それはひとえに、児童扶養手当法が成立した時には「シェアハウス」がなかった。
ということに尽きると思います。

行政の担当者の方で、シェアハウスに詳しい方は少ないでしょう。
新しい状況や物事に直面して、それが既存の枠組みからでは判断できない場合、
往々にして、安全側の判断を下してしまうのも、無理のないところです。

しかし、冷静に判断をしてもらえるのであれば、
児童扶養手当法の第一条にある「父又は母と生計を同じくしていない」という文面に
しっかりと合致することは理解していただけます。

シェアハウスといえど、それぞれの部屋には番号がふられていますし、
その番号で住民登録もできます。

それはマンションやアパートと何等変わることがありません。

つまり、そもそも「住所が同一」ではないのです。

実態をしっかりと判断していただければ、家計を一にしてないことも明らかに分かります。

ただ、その「実態を明らかにする」という作業を行政の方々が行なうかというと、
残念ながら、行なわないこともあります。
実態を見る前に、なんとなくそうだからというイメージで判断してしまうこともあります。

また、実態が明らかでもその判断がいままでにない新しいものの場合、
その責任をとることを回避するために、正確な判断をくださないということも起こりえます。
(今回の国立市の例は、これに当たりますね)

ただし、行政の無理解だけを責めるのは少し酷かもしれません。
行政に限らず、新しいこと、ものに迅速に柔軟に対応することは難しいことです。

ですので、私たち事業者も、
事前に、そして粘り強く対話と説得を重ねていくことが重要になってきます。

ペアレンティングホームは日本で初めてのシングルマザー専用シェアハウスとして、
これまでも多くのこうした問題に直面してまいりましたが、
その都度、説明と対話を通じて、解決を図って参りました。

これからも、ペアレンティングホームが「良き先行事例」となるように、
頑張っていきたいと思います。

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